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2023.02.17

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内閣府+8県庁共催 THE 地方創生 WEEK~企業版ふるさと納税で地方を応援!~

2023年2月9,14,15日に3日間にわたり 「THE 地方創生 WEEK~企業版ふるさと納税で地方を応援!~」が開催されました。

内閣府と共催となり、全国8つの県庁、合計53市町村、85プロジェクト のプロジェクト紹介が行われました。
環境省、経済産業省、農林水産省、金融庁の協力もいただき、延べ574名の方に参加いただく一大イベントとなりました。
(参加実績 自治体:264、企業:310、合計:574)

イベント開催の経緯・主旨に触れつつ、地域性などについてまとめたいと思います。

イベント開催の経緯・主旨

企業版ふるさと納税の普及啓発・寄付獲得においては、
県単位で一致団結して、地域の魅力と課題をオープン化し、発信することが重要となります。

情報をオープン化し、多くの企業に届けるための活動として、
自治体職員からイベント参加企業にプロジェクトを紹介するイベント(マッチング会)が注目されています。

イベント当日だけでなく、イベントに向けた広報・情報発信・声掛けや、
登壇時のアーカイブ動画を活用したプロモーションによって、

企業版ふるさと納税による寄付や、寄付をきっかけとした企業と自治体の関係構築、
またその先にある官民連携による地域課題解決が進むことが期待されています。

マッチング会等を通じて、全国で多くの連携が始まっており、
企業・自治体ともに企業版ふるさと納税の活用や検討が拡がってきています。

各県庁の登壇内容の特徴

登壇内容や登壇者の雰囲気から各地域ごとのカラーも出ており、とても興味深いイベントとなりました。
筆者の私見となりますが、各地域ごとのイベントで感じたことをコメントさせていただきます。
コラム末尾に全プロジェクトのアーカイブ動画もございますので、本コラムと合わせてぜひアーカイブ動画もご視聴ください。

福井県(2月9日開催)

会のトップバッターとして登壇していただきました。
新事業の創出や、リーダー排出に力を入れている印象がございます。
丸岡城整備プロジェクトなど、現地の活発なNPOと連携した取り組みもございました。
その他のプロジェクトでも地域の住民などを巻き込んだ、人的交流が見込めるプロジェクトが散見されました。

プロジェクトを通じて、地域の方とのコミュニケーションや取組みを通じた人材育成を行いたい企業に相性のよい
プロジェクトが多いのではないかと思います。

高知県(2月9日開催)

町づくり全体に関わる大きなビジョンが描かれている自治体が多いと感じました。
企業視点で考察すると、具体的なプロジェクトへの参画としてもそうですが、
町の事業に関われる機会が多いのではないでしょうか。

地域性として、お遍路さん文化に根付く「おもてなしの心」が根付き、
人との交流が好きな県民性があると言われています。
県のWEBページにも以下のように掲載されています。
「酒を酌み交わせば誰とでもすぐ親しくなれる」地域性があるそうです。

高知に行った際には、高知の風光明媚な景色を見るだけでなく、
ぜひ現地の方とお酒を飲む機会をお楽しみください。
人と人とのコミュニケーションのきっかけづくりにも企業版ふるさと納税の活用は期待されます。

福島県(2月14日開催)

どの地域も藩の時代からの歴史を語っておられました。
歴史を大切にする風土は、福島県の特徴だなと感じています。

福島への寄付を検討される際には、ぜひ歴史的背景にも触れながら、
現地の方とのコミュニケーションを通じて、福島県の県民性を感じていただけると、
充実した寄付体験になるのではないかと思います。

企業版ふるさと納税は、地方と企業を繋ぎ、人と雇用を現地に移転するための制度です。
ぜひ、金銭的な支援だけではなく、協働プロジェクト、拠点開設、
もしくは人材派遣型企業版ふるさと納税の活用などを通じて、地域の関係人口創出につながる活動もご検討ください。

島根県(2月14日開催)

県庁から、県としての案内がとても面白かったです。

「島根が寄付を募るわけ」というスライドを使い、
・いかに島根県が企業の支援を求めているのか
・島根県だからこそできる企業との連携
などについて語られていました。

具体的には下記のような内容の話がありました。
・全国の先駆けとなるイノベーションをたくさん起こしてきたのが島根県
・県と市町村の仲がよい
・個別案件での丁寧な対応が可能
・少額でも寄付のインパクトが大きい

実際に、全体としてしっかり連携できている空気感が伝わってきました。
全体に子どもの教育や、子どもたちに焦点の当たった取組みが強調されている印象がありました。

岩手県(2月14日開催)

各事業で各地のオリジナリティが含まれており、キャラが立っている印象でした。
各地域の特色・個性を感じました。
登壇書達の発言に、棒読み感がなく熱がこもっており、自分ごと感にとても共感できました。

このポイントは非常に重要な視点だと感じており、
「町としてやりたい」のか、「登壇者ご自身が自分がやりたいのか」の違いもあるように感じました。
一緒にやるときには、登壇書と話をしていくんだなという感覚を持てる登壇が多いイベントでした。

大阪府(2月15日開催)

日本に2番目に強い経済圏を抱える大阪。
多くの自治体が、関西万博との関連に触れていました。

個人的に、この戦略・方針は重要だと感じました。

万博というと、国内・海外から、とても広いカテゴリの企業や業界、専門家が関わることになります。
万博と関連付けることでそういった方へのPRができます。
このインパクトは非常に大きく、うまく仕組みを作れば、企業側へのメリットも大きくなります。
オール大阪で、関西万博と連携したプロジェクトを進められたら良いのではないかと感じました。

多くの自治体でコンテンツがしっかりしていて、記憶に残る情報が多かったのも印象的でした。

滋賀県(2月15日開催)

滋賀県と紐づけて全国・世界的に有名なキーワードは何があるかを考えながら拝聴させていただいた。
「琵琶湖」「忍者(滋賀県甲賀市)」などが有名どころなのではないでしょうか。

地域色として、皆さん少し控えめな雰囲気を感じたが、
資料の構成や、登壇方法、企業向けのメリットなどを深く検討されており、
企業との連携を求める姿勢を強く感じる登壇が多かった。

共感とは、話し手と聞き手で、共通の感覚を持つということだと思います。
共通で知っているキーワードや情報をベースに、聞き手に「へー」と思わせる部分が多くあると寄付に繋がるコミュニケーションに繋がる可能性が上がります。

熊本県(2月15日開催)

同イベントの最後を飾ってくれた熊本県。
会全体を通じて、自由にチャレンジしている空気感を強く感じました。

冒頭には、木村副知事とくまもんが登場し、熊本県としての本気度を伝わりました。
資料はなく、副知事自らの言葉で思いを伝えようとする姿が印象的でした。

市町村の登壇内容も、キャラが立っており、
全国の地域を色々回っている筆者から見ても、あまり類似事例を見たことがない
尖ったプロジェクトが散見されたように感じます。

県立高校に日本初の漫画学科を作った高森町など、
先進的でありながら、プロジェクトの構成や進め方などにも関心を寄せさせられる内容がありました。

総評

筆者は、3日間12時間という時間で、85プロジェクトを拝聴させていただき、
どっぷりと地方創生に浸ることができた時間となりました。

地域ごとに県庁が中心となって開催されたからこそわかる、
県としての特色や市町村の共通点を感じさせられるイベントとなりました。

最後に、非常に多くの登壇を連続でまとめて拝聴したからこそ分かる
「記憶に残るプレゼン」について感想を述べさせていただき、総評とさせていただきたいと思います。

いくつかの登壇を拝聴された方であれば感じられると思いますが、
各自治体によってプレゼンテーションの内容や方法が異なっており、記憶に残る自治体と残りづらい自治体があります。

例えば下記のような点は今後の参考にしていただければ幸いです。
① プレゼンターの方のお人柄が伝わる、地域の方の顔が浮かぶような語りをされていた自治体さんは魅力的に映りました。
 寄付をする際、実際にプロジェクトに参画する際に、どんな人とどういう風にコミュニケーションを取るのかが分かることは非常に重要です。

② 元々の知名度やプロジェクトの着眼点よりも、つかみとしてプレゼン力もかなり重要だと感じました。
 企業文化として、日々多くの提案を行い、また提案を受けています。基本的な提案力は重要です。

③ 聞き手が聞き入ってしまうコンテンツを冒頭に持ってくることが大切です。
 たとえば、大阪府高槻市の登壇では冒頭に「日本の将棋文化の起こり」を非常に丁寧に説明なされました。
 日本人なら誰でも知っているゲームのルーツの話はそれ自体に興味を惹かれ聞き入ってしまいました。

③の視点は、今回初めて感じたことなのですが、
自分たちにとって当たり前の話と、聞き手に取っての当たり前は異なるということだと思います。
聞き手にとって、身近だけど実は知られていない新鮮な話を冒頭に入れることで、そのあとの話がとても頭に残る状況を体感させていただきました。
少なくとも私は、自治体名とキーワード(大阪府高槻市=将棋の町)のセットが頭に残りました。

ぜひ参考にしてみてください。

グラフィックレコーディング取組み

今回は、岩手県と大阪府のセミナーにおいて、野月そよかがグラフィックレコーディングを行っています。
参加者の皆さんや動画を閲覧した方が、視覚的に講演を振り返る一つの手段として、活用を目指しています。

岩手県(一部抜粋)2023年2月14日

大阪府(一部抜粋)2023年2月15日

開催概要

筆者:カルティブ 小坪

【開催報告・アーカイブ動画・プレゼン資料等】

2月9日開催分 福井県、高知県

https://cpriver.jp/2023/02/4903/

2月14日開催分 福島県、島根県、岩手県

https://cpriver.jp/2023/02/5573/

2月15日開催分 大阪府、滋賀県、熊本県

https://cpriver.jp/2023/02/5616/

イベントページ

https://cpriver.jp/2022/12/3152/

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