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2023.07.12

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「骨太の方針2023」を解説 ~地方にはここが影響する!~「カルティブ小坪」

小坪コラム

カルティブ小坪が考える「骨太の方針2023」

カルティブ小坪です。
骨太の方針は、正式名称を「経済財政運営と改革の基本方針」と言います。
2023年度版が6月16日に閣議決定されました。

よく言われる、骨太の方針とはどんなもので、どういう捉え方をすべきなのか、
また、先日発表された内容について解説したいと思います。

① 骨太の方針とは?
② 押さえておきたい基本的な考え方
③ 地域行政への影響
④ まとめ

骨太の方針2023

① 骨太の方針とは?

次年度以降の政策検討を進めるうえでの指針となる方針です。

下記は、政府掲載資料となりますが、各省庁で骨太の方針をもとに
次年度以降の施策を検討し、財務省に予算要求する流れになります。
この方針を元に国として予算を付けるかどうかや予算額の配分を検討していると捉えることもできます。

実行する施策と予算の閣議決定が例年12月末に行われます。
閣議決定された予算内容は1月からの通常国会の中で審議され、
4月より具体的に取り組まれていきます。

今年の場合には、
「2024年度に国として何を重点的に取り組んでいくのか、予算が付くのか」
ということが明示されたことになります。

1ページの概要を示す資料と、45ページからなる詳細な原文が公開されています。
(文末のリンクよりご確認ください)

自治体にとっても、民間企業にとっても、1国民としても、
実は生活に影響度の大きな決定事項がたくさん盛り込まれています。
方針レベルなので具体的に何が行われるのかが分かりにくい場合もありますが、
各省庁の公開議事録等と照合することで今後の取組みを読み解くことができます。

引用:経済財政諮問会議の取りまとめ資料

 

② 押さえておきたい基本的な考え方

概要シートは下記のようになっています。
フォーマットや枚数は毎年異なっています。

最上段の「Ⅰ.マクロ経済運営の基本的考え⽅」に俯瞰した捉え方が記載されています。
原文と概要で書きぶりに異なる部分がありますが、要約すると下記のようなことが記載されています。
こちらは要約ですので、関連する部分はぜひ原文も参照ください。

1)構造的賃上げ、人への投資、分厚い中間層の形成を進める
2)GX・DX、スタートアップ推進、産業構造の転換がキーワードとしてあげられる
3)「こども未来戦略方針」にそったこども・子育て政策で、少子化トレンドを反転させる
4)中小企業の活力を引き出し地方創生を実現する
5)戦略的な外交経済安全保障、エネルギー・食料安全保障を強化していく
6)国土強靭化、東日本大震災等からの復興などへの取組みを継続する

このあたりの用語は国政を語る上で頻出するキーワードになると考えられますので、
背景や言葉のもつ意味合いを理解しておくと政府の動きとの関連が見えてくるのではないかと思います。

③ 地域行政への影響

すべての項目が我々国民1人1人に直結する内容ですが、
地方行政に影響度が大きそうなポイントを筆者の視点で解説します。

1)デジタル田園都市国家構想などの地方創生の内容は、中小企業の活性化の中で語られている
2)骨太方針2021、骨太方針2022は効力を残す
3)食料安全保障が強調され、経済的困窮者・家庭への食の支援が拡充される
4)子どもへの支援施策は国主導のもと取組みの幅が拡がる
5)省エネの取組みが推進される
6)行政DX、マイナンバーカード関連施策が具体的に法的効力を持って対応される
7)物流の革新、文化芸術・スポーツが同じカテゴリの中で語られている

内容が多義にわたる為、解釈や見え方に個人差があるかと思います。
興味のある部分はぜひ原文に遡ってご確認ください。

④ まとめ・筆者所感

今回、「ヨーロッパの金融不安」「ウクライナの地政学的リスクが強調され」、逆に「コロナ関連の記述は大幅減」という特徴がありました。

個人的な関心テーマとして、「子育て支援」「人への投資」が頻出していた点は共感しました。
また、環境軸で「徹底した省エネ」が謳われた点なども注視していきたいと考えています。

今回の1つのポイントとして、岸田政権に代わって以降の骨太の方針2021、2022の効力が
継続されるという記述が入っていることだと感じています。
前回、前々回の方針の中で、デジタル田園都市国家構想についての記載が多く、
企業版ふるさと納税を活用したサテライトオフィスの設置について言及されていました。

単年度で成果の現れにくい地域課題解決プロジェクトでは、こういった措置が非常に重要であると感じます。

river事業では、地域の正しい実情を政府関係者にお伝えすることで、
政府の作る大きな流れに影響するとともに、
政府の作る大きな流れに地域がうまく乗れるように最新情報を発信していきたいと考えています。

カルティブ小坪が紹介する「骨太の方針2023」

株式会社カルティブ 小坪拓也

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