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2023.08.31

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企業版ふるさと納税 令和4年度寄付実績を解説

企業版ふるさと納税寄付実績セミナー 小坪拓也

「企業版ふるさと納税」は大幅な制度改正が実施された2020年4月を経て、制度の対象となる自治体数も全体の92.4%にのぼり、活用が進んでいます。
本コラムでは2023年8月29日に公開された令和4年度の寄付実績について、8つの資料をもとにポイントを解説していきます。

【令和4年度の企業版ふるさと納税の寄付実績の概要】

令和4年度は、寄付金額 約341億円、寄付件数 8,390件となり過去最大となりました。税制改正後、寄付額は毎年約100億円ずつ伸びており、3年間で約10倍の伸びとなっています。

企業の傾向を見ると、令和2年度の税制改正以降、活用企業数は毎年1,500団体程度 増えています。同時に、1社当たりの寄付件数が伸びています。

自治体側では、全国的に寄付の受入れ件数は伸びており、活用の積極度合いが向上しています。北海道および、九州地域で寄付受入れ件数が多い傾向にあります。寄付活用自治体数は、企業版ふるさと納税を活用できる団体のうち、4分3以上の割合となってきました。単年と累計の数値が近いことから、多くの団体で毎年寄付を受け取っていることが分かります。寄付受入れ額の傾向を見ると、100万円~5,000万円がボリュームゾーンとなっており、約6割1,028プロジェクトがこのゾーンに入っています。寄付を受け取った1,339プロジェクトの中央値は、500万円、平均値は、2,547万円となっています。逆に、寄付を受け取れていないプロジェクトは、昨年36.6%(577件)が、今年は22.6%(392件)となっており大きく減少傾向にあります。

獲得寄付額上位10団体を見てみると、10団体のうち5つは2年連続のランクインとなっています。道府県庁から宮城県と大阪府がランクインしました。今年、大臣表彰も受賞した北海道大樹町は寄付件数が減少しているにも関わらず、寄付獲得額が7.3億円から14億円に増加しています。大樹町と同じように、上位10自治体の総論の特徴として、合計寄付金額1.3倍に伸びたのに対して合計寄付件数が3割減(約0.7倍)となっており、平均寄付単価が令和3年度の2,300万円から、令和4年度では4,300万円と1.9倍の伸びとなりました。

【図を用いた解説】

寄付受入れ金額と件数の推移


制度が制定された2016年から令和4年度までの各年度の寄付流通額と寄付流通件数を表しています。
最新のデータとなる令和4年度は、寄付金額 約341億円、寄付件数 8,390件となり過去最大となりました。
2020年4月の税制改正後、寄付額は毎年約100億円ずつ伸びており、3年間で約10倍の伸びとなっています。
企業版ふるさと納税は堅調に活用が拡大していることが伺えます。

県別の受入れ寄付件数


47都道府県の各域内の合計寄付受入れ件数について、令和4年度と令和3年度の実績となります。
数億円規模の超高額寄付の影響により、実際の活動量は金額で測るよりも件数で測ったほうが比較的実態に近いと考えています。
件数でみてみると、全国的に寄付の受入れ件数は伸びており、活用の積極度合いが向上していることが分かります。また、北海道および、九州地域で寄付受入れ件数の多い県が多いように見られます。

寄付件数と寄付企業数の比較


寄付件数と寄付企業数、また1社当たりの寄付件数を経年で表しています。
いずれも堅調に伸びていますが、特に令和2年度の税制改正以降に、活用企業数が毎年1,500団体程度 増えていることが分かります。
また、令和4年度では1社当たりの寄付件数が1.8まで伸びており、1社で複数の自治体に寄付する企業が増えていることも読み取れます。

寄付活用自治体数


寄付活用自治体数は、特に令和2年度の税制改正以降に増加しており、企業版ふるさと納税を活用できる団体のうち、4分3以上の割合となっています。デジタル田園都市国家構想 総合戦略の中で、2027年までに企業版ふるさと納税の活用団体数が1,500となる目標が掲げられていますが、目標達成に近づいていると言えます。
また、単年での寄付活用団体数と累計での寄付活用団体数の数値が近いことから、寄付を受け取ったことのある団体の多くはは翌年・翌々年も寄付を獲得していることが分かります。たとえば、昨年令和3年度に寄付をもらった団体のうち令和4年度に企業とのご縁の得られなかった団体数は85団体(1361団体-1276団体)ということが分かります。

プロジェクト(地域再生計画)ごとの寄付受入れ額の分布


プロジェクト(地域再生計画)ごとの寄付受入れ額の分布を表しています。
まず、100万円~5,000万円がボリュームゾーンとなっており、約6割1,028プロジェクトがこのゾーンに入っています。
寄付を受け取った1,339プロジェクトの中央値は、500万円、平均値は、2,547万円となっています。
寄付を受け取れていないプロジェクトは、昨年36.6%(577件)でしたが、今年は22.6%(392件)となっており大きく減少傾向にあります。

獲得寄付額上位10団体の寄付額と件数(左:令和4年度、右:令和3年度)


獲得寄付額上位10団体のうち5つは2年連続のランクインとなっています。
獲得寄付額上位10団体に道府県庁から宮城県と大阪府がランクインしました。
北海道大樹町は寄付件数が減少しているにも関わらず、7.3億円から14億円に増加しています。

獲得寄付額上位10団体の合計寄付額・件数の変化


上位10自治体の合計の寄付金額・寄付件数を比較すると、金額が1.3倍になっているのに対して、寄付件数は3割減になっています。
また、上位10自治体のみで算出した1件当たりの平均寄付額は、令和3年度:2,300万円だったのに対して令和4年度:4,300万円と1.9倍の伸びになっています。

寄付額・寄付件数を大きく伸ばす自治体


いくつかの自治体では首長が交代し方針変更されたり、また民間サービスの活用を始めることで、寄付額・件数ともに大きく伸ばしている自治体が出てきています。
山形県西川町では寄付額・件数の伸びもさることながら、多くの企業との間で企業版ふるさと納税をきっかけとした官民連携事業を仕掛けており、寄付の出会いからの地域課題解決・関係人口創出に繋げる取り組み事例が生まれています。
こういった事例では、トップ(首長)営業・トップダウンでの意思決定と庁内全体を巻き込んだ推進が特徴として挙げられます。

企業版ふるさと納税令和4年寄付実績の解説動画

企業版ふるさと納税の寄付実績をわかりやすく動画で解説しています。

企業版ふるさと納税の市場は、数字で見ても大きく動き始めており、制度の価値を最大限に生かしている企業・自治体の事例が目立つようになってきました。
riverでは全国の成功事例・失敗事例を共有することでより多くの団体が企業版ふるさと納税制度に関して、価値ある使い方ができるように活動を続けてまいります。

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小坪拓也riverサービスファウンダー