約8割の企業が認知している企業版ふるさと納税制度。中でも、今、最も検索され注目を浴びているのが人材派遣型企業版ふるさと納税です。2023年度までに、119の自治体で合計157名を受け入れています。ある企業では、70の自治体に合計73名の社員を派遣しています(2023年度公表値)。
このコラムでは、今から企業版ふるさと納税や人材派遣型を調査される企業の担当者向けに下記の章立てで徹底的に解説していきます。
・どんな制度?通常の企業版ふるさと納税の寄付との違い
・企業にはどんなメリットがあるの?
・対象のプロジェクト、自治体は?
・調整をスムーズにすすめるためのポイント・注意点
どんな企業が企業版ふるさと納税人材派遣型を活用しているか?
専門ノウハウを持った企業の従業員を自治体に派遣する制度ですので、たとえば、電鉄系の会社が観光系の部署に派遣したり、IT系の企業からDX推進担当者として派遣するようなケースがあります。他にも従業員の働き方改革や経験を積むための機会として、大手の生命保険会社が積極的に活用しているケースもあります。
推進している従業員の方の担当業務としては、会社の中で地域貢献事業の推進を担当している方、社員の成長を後押ししたり福利厚生を行う人事担当の方、また、BtoGビジネス(自治体向けビジネス)を進めようとしていて自治体の意思決定や課題感を知りたいと思っている方、これまでもBtoGビジネス(自治体向けビジネス)を行ってきた方がより自治体との関係性を深める場合などにも活用されています。その他にも、会社として新規事業を行う際に地域や自治体との協力が不可欠な際に、連携の1つの方策としてこの制度が使われ、自治体と企業の連携の潤滑油となっています。
人材派遣型企業版ふるさと納税とは、どんな制度?
~通常の企業版ふるさと納税の寄付との違い~
人材派遣型企業版ふるさと納税は、企業側のメリットが分かりやすく、地域課題解決にインパクトの大きな活用方法だといえます。
企業が、企業版ふるさと納税の寄付と合わせて従業員を自治体の「職員」として派遣する際に、企業版ふるさと納税による寄付金をその方の人件費に充当できる制度となっています。
図に示すように、自治体が立ち上げた企業版ふるさと納税を活用した地域課題解決プロジェクトがあったとします。企業は、寄付先のプロジェクトに企業版ふるさと納税による寄付を行うとともに、従業員を自治体職員もしくはプロジェクトの関連団体の職員として派遣してノウハウ支援を行います。人材派遣型企業版ふるさと納税として行う場合には、寄付を原資(の一部)とした事業費から人件費がまかなわれるので、結果として人件費の削減という効果も生まれます。
例えば、派遣される方の人件費分を含む1,000万円の寄付とともに従業員を派遣するとします。その場合、企業版ふるさと納税による税額控除が受けられるので、人件費を含む総額1,000万円の寄付に対して最大で約900万円の軽減効果が発生し、企業側の負担は実質100万円ほどとなります。人件費900万円の方を派遣した場合には、従業員の方にとっては同じ待遇を得ながら、企業にとっては人件費負担を軽減することができます。
自治体としては、実質的な人件費を負担することなく、専門知識や経験をもつ人材を受け入れることができるので、プロジェクトの質を上げるとともに推進力が得られます。また企業にとっては深いパートナーシップの構築や人材育成に繋げるとともに、税額控除の恩恵を受けることができます。
※数値に関しては2024年8月に更新しています。
下記の動画でも詳しく説明しておりますので、合わせてご覧ください。
人材派遣併用型_企業版ふるさと納税の活用について
企業が派遣する際の留意点(人材派遣型)
人材派遣型を活用した事例(新潟県)
以下は自治体向けの情報となります。
人材派遣型の適用範囲について(人材派遣型)
任用・勤務形態、派遣元企業との兼業可否について(人材派遣型)
地域再生計画の認定について(人材派遣型)
自治体が受け入れる際の留意点(人材派遣型)
企業版ふるさと納税 人材派遣型のメリット
企業版ふるさと納税 人材派遣型の活用方法
企業版ふるさと納税 人材派遣型の対象のプロジェクト、自治体は?
【解説動画あり】企業版ふるさと納税 人材派遣型とは?税額控除の要件や手続き方法を解説!
企業版ふるさと納税人材派遣型の活用実績・第一生命保険の事例
本コラムの筆者
株式会社カルティブ小坪拓也
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