【人流創出事業】リモートワークを活用した官民共創による地方への人の流れの創出 ~内閣府セミナー解説~
内閣府主催「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」の分科会として、株式会社カルティブが企画・運営する『地方創生制度活用シリーズセミナー』。本シリーズは、各省庁で制度を企画・運営する担当者から、制度の詳細な仕組みのみならず「施策に込めた想い」までを直接学べる場として開催しています。

本記事は、内閣府 地方創生推進室が登壇した「リモートワークを活用した官民共創による人流創出事業」のアーカイブ動画の内容を網羅的に整理した紹介ページです。まずはテキストを通して取り組みの全体像やマッチングコミュニティの詳細を把握し、社内・庁内での検討資料としてご活用ください。その上で、担当者の熱意や詳細なニュアンスにつきましては、ぜひページ下部の動画本編よりご視聴されることをお勧めいたします。
1. 官民共創による地方への人の流れの創出事業の目的と背景
東京圏への一極集中を是正し、地方への人の流れ(人流)を生み出すことを目的とした内閣府の事業です。
デジタル田園都市国家構想総合戦略における政策目標の一つである「選ばれる地方」に貢献する施策として位置づけられています。
リモートワークの推進において、内閣府では主に以下の3つの支援を展開しています。
- 地域未来交付金(地方創生拠点整備タイプ):サテライトオフィスの整備等に対する自治体への直接的な財政支援。
- 企業版ふるさと納税:地方創生プロジェクトへの寄付に対する税額控除。(※セミナー内では、本税制を活用したサテライトオフィス整備の事例として岩手県住田町の「イコエル住田」が紹介されています)
- 本事業(人流創出事業):財政支援ではなく、自治体と企業をつなぐ「マッチングコミュニティの運営」や「ポータルサイトでの情報提供」を通じた官民共創の推進。
2. マッチングコミュニティ「官民リモートハブ」とは
本事業の中核となるのが、自治体と企業が参画するマッチングコミュニティ「官民リモートハブ」です。2024年11月に始動し、現在約120の自治体・企業が参加しています(参加自治体51部局、企業65社)。
参加することで得られる4つのメリットは以下の通りです。
- 熱意ある自治体・企業とのマッチング
コミュニティへの参加には事前エントリーと内閣府による審査があり、官民共創への本気度が高いメンバーのみで構成されています。 - 限定イベントやセミナーへの参加
年間を通して、メンバー限定の対面マッチングイベント(今年度は年2回予定)やオンラインセミナー(年5回予定)が開催されます。 - 事務局による手厚い伴走支援
株式会社カルティブなどの支援機関が、ニーズ・シーズの整理、関係者への取り次ぎ、打ち合わせへの同席など、プロジェクトを前に進めるためのサポートを提供します。 - メンバーの「生の声」の獲得
自治体が抱えるリアルな地域課題が詳細に記載されたメンバーリストの共有や、イベントでの直接対話を通じて、一般的なルートでは得られない一次情報を収集できます。
3. マッチングの方法と現在の実績
コミュニティ内では、主に以下の3つの方法でマッチングが行われます。
- 直接連絡:共有されるメンバーリストを参照し、興味のある相手に直接連絡を取る。
- 事務局経由:運営事務局に希望を伝え、最適な相手の調査・提案・取り次ぎを受ける。
- イベントでの交流:対面のマッチングイベントで直接対話する(※現在、この方法から最も多くのマッチングが生まれています)。
【マッチング実績】
これまでに官民共創の取り組みに合意した件数は47件に上り、そのうち実際に事業化やイベント開催、新拠点開設に至った事例が7件創出されています。
4. 官民共創の実在事例
セミナー内で紹介された、具体的な官民共創の事例です。
- 新潟県佐渡市 × サン株式会社
人口減少や少子高齢化による地域コミュニティ維持の課題に対し、情報発信や人材育成に強みを持つ企業が連携しました。ビジネスコンテストを経て雇用機会拡充事業補助金に採択され、2025年6月に新拠点「サドラボ」を開設。観光事業の強化やIT人材育成に取り組んでいます。 - 鳥取県鳥取市 × 株式会社おてつたび
農業や宿泊業における人手不足に対し、「働きながら旅を楽しむ」マッチングサービスを提供する企業が連携しました。全国から人材を呼び込むことで、地域の季節的・短期的な人手不足を解消しつつ、関係人口の創出を図っています。
5. 参加条件と申し込みについて
【こんな人におすすめ】
- 自治体の担当者:人口流出の防止や企業誘致、関係人口の創出を目指す方。
- 企業の担当者:リモートワークを活用したBCP(事業継続計画)対策や、居住地を理由とする離職の防止、地方をフィールドとした新規事業を検討している方。
官民リモートハブでは、今年度もリモートワークを活用して地域課題解決に取り組む意欲のある自治体・企業を募集しています。
※自治体は原則として東京圏以外の地域が対象ですが、企業は東京圏からの応募も可能です。
セミナー動画のご案内
本記事で全体像をご確認いただいた後は、内閣府担当者の言葉で直接制度の目的や実例のニュアンスに触れていただける、以下のアーカイブ動画(約18分)をぜひご視聴ください。
- [00:02:40] 事業の目的(東京圏一極集中の是正と人流創出)
- [00:05:03] 内閣府におけるリモートワーク支援の全体像(交付金・企業版ふるさと納税・本事業)
- [00:06:57] マッチングコミュニティ「官民リモートハブ」の概要と4つの参加メリット
- [00:10:32] コミュニティでのマッチング方法と現在の活動実績
- [00:14:52] 官民共創によって創出された実在事例(佐渡市、鳥取市)
登壇者情報・開催概要
- 登壇者:
- 内閣府 地方創生推進室 参事官補佐 高岡 光貴 氏
(2026年4月より現職、リモートワークを活用した官民共創による人流創出事業を担当) - 内閣府 地方創生推進室 主査 島川 歩 氏
(2025年4月より現職、リモートワークを活用した官民共創による人流創出事業を担当)
- 内閣府 地方創生推進室 参事官補佐 高岡 光貴 氏
- 開催日:2026年6月2日