企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税の違い|返礼品・税制優遇を比較

企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税は、どちらも自治体への寄付に関する制度ですが、対象者、制度の目的、税制上の扱い、返礼品の有無、寄付できる自治体・事業などに違いがあります。

個人版ふるさと納税は個人が自治体へ寄付する制度であるのに対し、企業版ふるさと納税は、企業が地方公共団体の地方創生に関する事業へ寄付することで、地域課題の解決や地方創生を応援する制度です。

個人版と企業版ふるさと納税の違い

このページでは、企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税の違いを、比較しながらわかりやすく解説します。

このページでわかること

  • 企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税の違い
  • 税制上の仕組みの違い
  • 返礼品の取り扱い
  • 寄付できる自治体・事業の違い
  • 企業が企業版ふるさと納税を活用する意味
  • 企業版ふるさと納税を利用する際の注意点

企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税の主な違い

企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税では、「誰が寄付するのか」「どのような税制措置を受けられるのか」「返礼品を受け取れるのか」「どのような事業に寄付できるのか」などが異なります。

名称は似ていますが、それぞれ対象者や制度の目的が異なるため、まずは全体像を比較してみましょう。

比較表で見る企業版と個人版の違い

項目(個人版)ふるさと納税企業版ふるさと納税
概要個人が自治体に寄付をする制度法人が自治体に寄付をする制度
誰が個人の納税者青色申告書を出している企業
(外国法人も含む)
誰に国から除外されていない自治体に国から認定された自治体の事業やプロジェクトに
負担額所得に対する上限額以下であれば2,000円適切な金額であれば寄付額の1割程度
返礼品認められている認められていない
税額控除住民税(+所得税の一部)法人三税
市場規模約1兆2,728億円(2024年度)約631億円(2024年度)
創設2008年2016年
所轄官庁総務省内閣府

企業版ふるさと納税では、法人関係税に関する税制優遇が設けられている一方、寄付の代償として経済的な利益を受けることはできません。

個人版ふるさと納税では、一定の上限の範囲内で、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税や個人住民税から控除を受けることができ、自治体によっては返礼品が用意されている場合があります。

企業版と個人版で特に異なる5つのポイント

1.寄付する主体が異なる

個人版ふるさと納税は、個人が自治体へ寄付を行う制度です。

一方、企業版ふるさと納税は法人を対象とした制度で、企業が地方公共団体の地方創生に関する事業へ寄付を行います。

そのため、個人が企業版ふるさと納税を利用することはできません。

2.税制上の仕組みが異なる

個人版ふるさと納税では、一定の上限の範囲内で、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税・個人住民税から控除を受けることができます。

企業版ふるさと納税では、通常の寄付における損金算入による税負担の軽減に加え、法人住民税・法人税・法人事業税について税額控除を受けることができます。

税額控除にはそれぞれ上限があり、企業の税額や寄付額などによって実際の軽減額は異なります。

詳しくは「税制優遇と税額控除の仕組み」で解説します。

3.返礼品の扱いが異なる

個人版ふるさと納税では、寄付をした自治体から地域の特産品などの返礼品を受け取れる場合があります。

一方、企業版ふるさと納税では、寄付を行うことの代償として、寄付企業に経済的な利益を供与することは禁止されています。

そのため、個人版ふるさと納税のような返礼品を目的として企業版ふるさと納税を利用することはできません。

企業版ふるさと納税における経済的利益の考え方については、「経済的利益の禁止・返礼品の禁止とは」で詳しく解説します。

4.寄付できる自治体・事業の考え方が異なる

個人版ふるさと納税では、個人が応援したい自治体を選んで寄付を行います。

企業版ふるさと納税では、地方公共団体が作成し、国の認定を受けた地域再生計画に位置付けられた地方創生事業への寄付が制度の対象となります。

また、企業の本社が所在する地方公共団体への寄付は、企業版ふるさと納税による税制優遇の対象となりません。

寄付先を検討する際には、企業が取り組みたい社会課題や地域との関係性に加えて、制度の対象となる事業であるかを確認することが重要です。

5.制度を活用する目的が異なる

個人版ふるさと納税では、応援したい地域への寄付や地域の特産品との出会いなど、個人それぞれの動機で制度が利用されています。

企業版ふるさと納税では、地方創生への貢献に加えて、CSR・SDGs・ESG、地域貢献などの企業活動と関連付けて活用することができます。

また、寄付をきっかけとして地域課題や自治体の取り組みを知り、地域との継続的な関係を考える機会にもなります。

企業にとっての活用価値については、「企業版ふるさと納税を活用するメリット」で詳しく紹介します。

企業版ふるさと納税に返礼品はあるのか

企業版ふるさと納税では、個人版ふるさと納税のように、寄付の見返りとして返礼品を受け取ることはできません。

制度上、地方公共団体が寄付企業に対して、寄付を行うことの代償として経済的な利益を供与することは禁止されています。

ただし、企業版ふるさと納税を通じた企業と自治体の関係そのものが禁止されているわけではありません。

制度の趣旨やルールを踏まえながら、地方創生や地域課題の解決を目的とした官民連携につなげていくことが重要です。

経済的利益に該当する行為・該当しない行為については、「経済的利益の禁止・返礼品の禁止とは」で詳しく解説します。

企業版ふるさと納税を活用する際の注意点

企業版ふるさと納税は、個人版ふるさと納税とは制度要件が異なります。

主なポイントは次のとおりです。

  • 1回当たり10万円以上の寄付が制度の対象
  • 寄付対象となる地方公共団体・事業には条件がある
  • 本社が所在する地方公共団体への寄付は制度の対象外
  • 寄付の代償として経済的な利益を受けることはできない
  • 実際に受けられる税額控除額は企業の税額などによって異なる

制度を活用する際には、寄付を行う企業と受け入れる自治体の双方で、対象事業や手続き、税務上の取り扱いなどを事前に確認することが重要です。

よくある質問

Q.個人が企業版ふるさと納税を利用することはできますか?

できません。企業版ふるさと納税は法人を対象とした制度です。個人による自治体への寄付については、個人版ふるさと納税の制度があります。

Q.企業版ふるさと納税では返礼品を受け取れますか?

企業版ふるさと納税では、寄付の代償として企業が経済的な利益を受けることは禁止されています。そのため、個人版ふるさと納税のような返礼品を受け取ることはできません。

Q.企業版と個人版では税制上の仕組みはどのように違いますか?

個人版では所得税・個人住民税の控除が中心となります。

企業版では、通常の寄付における損金算入に加えて、法人住民税・法人税・法人事業税の税額控除が設けられています。実際の税負担軽減額は企業の状況によって異なります。

Q.企業版ふるさと納税ではどの自治体にも寄付できますか?

制度の対象となる地方公共団体の地方創生事業への寄付が対象です。

また、企業の本社が所在する地方公共団体への寄付は、企業版ふるさと納税による税制優遇の対象となりません。

Q.企業版ふるさと納税はいくらから利用できますか?

企業版ふるさと納税では、1回当たり10万円以上の寄付が制度の対象となります。

企業版ふるさと納税について詳しく知る

企業版ふるさと納税についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページもあわせてご覧ください。

  • 企業版ふるさと納税とは
  • 企業版ふるさと納税の仕組み
  • 税制優遇と税額控除の仕組み
  • 企業版ふるさと納税を活用するメリット
  • 経済的利益の禁止・返礼品の禁止とは
  • 企業版ふるさと納税を始めるには

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動画で見る|個人版ふるさと納税と企業版ふるさと納税の違い

企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税の違いについて、動画でも解説しています。

文章だけでなく動画でも違いを確認したい方は、こちらの解説をご覧ください。

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